教員採用試験 対策フローチャート

教員採用試験
対策フローチャート

~あなたはどんなことに
不安を感じていますか?~

~あなたはどんなことに不安を感じていますか?~
~あなたはどんなことに不安を感じていますか?~

タイプ これからスタート
すべて不安型

教員になりたい気持ちはあるけれど、教員採用試験のしくみがよくわからず、そのため、何から始めてよいかわからないタイプ。
このタイプは、教員採用試験を受験したことのない方が多いのではないでしょうか。公立学校の教員になるためには教員採用試験なるものに合格しなければならないことは知っているけれど、どんな内容か、どの程度のレベルなのか、むずかしいのか、何から始めなければならないのか、すべてよくわからない状態にあるといえます。

教員採用試験の難易度

大学生でも社会人でも準備をしっかりすれば初めての受験での合格も可能です。まず目標とすべきは1次試験として行われる筆記試験。受験地にもよりますが7~8割の正解率がほしいところ。中学校卒業までの主要5教科で8割理解できているイメージです。過去に出題された問題を解いて、傾向をつかむことから始めましょう。内容が最も難しいのは中高教員の専門教養で、センター試験~難関大学入試レベルくらいまでの学力が問われます。

面接と論作文

面接と論作文より筆記試験対策を優先する受験者が多いのですが、実は、面接と論作文のデキが教員採用試験の合否のカギを握っています。この対策は時間がかかるので、筆記試験対策と一緒に開始しましょう。日本語が話せるのだから何とかなりそう?と多くの人が失敗するのが面接と論作文です。しっかり対策しないと、まず、合格はむずかしいと思ってください。

とにかく対策スタート

何をしてよいかわからないモヤモヤを解消するには、とにかく対策をスタートしてみること。三日坊主で終わらせないために、さらに、まだ対策をスタートさせていない受験者に差がつくように、静かに、でも、大切な第一歩を踏み出してみることが大切です。

ポイントを絞って

得意な分野や配点の多い分野など、やる気の出やすい領域から始めることがキモ。ここでは、「頻出」とか「最重要」といわれる重要事項だけをチェックするのがいいでしょう。

タイプ<i>A</i>
アドバイス
  • 1 教員採用試験の全体像をざっくりつかもう
  • 2 教員採用試験の問題を見てみよう
  • 3 不安を希望に変えるために早めの対策をスタート
  • 4 計画立案で不安を払拭しよう
  • 5 少しずつコンスタントに準備を進めよう
タイプ<i>A</i>

タイプB 誰でも経験
筆記試験不安型

「学習指導要領」「教育法規」と聞いて、ピンとくるようであれば、ある程度は教員採用試験の出題について理解と学習が進んでいるといえます。学習指導要領と教育法規は教員採用試験において頻出事項です。まだこれらの知識が身についていないあなたは、筆記試験対策を強化する必要があるでしょう。このタイプは採用試験対策をする誰しもが経験する通過点。

筆記試験の準備状況の把握が大切

教員採用試験の筆記試験で受験者を悩ますのは、教職教養、一般教養、専門教養だ。教職教養は誰もが不得意、一般教養は得意・不得意に二分される、専門教養は小学校全科の場合は一般教養と同じ傾向、中高教員の場合は学力の有無が専門教養のカギを握る。一般・専門教養で現状を自己分析してみよう。

頻出事項を中心に学習継続

教員採用試験の問題は出題傾向がはっきりと見られるので、全領域を学習する必要はない。全国の都道府県・政令指定市で毎年のように出題されるいわゆる“定番問題”(“頻出”“最重要”)が解けるように学習を進める。教育法規であれば服務義務(地方公務員法第30条以下)が“定番問題”となっている。

教職教養は学習しやすい領域から

教職教養は暗記ばかりというイメージがあるかもしれないが、まずは理解する、「ふーんそうなんだ」と思うことから始めよう。読みやすい領域、学習するのに抵抗がない領域の“定番問題”の攻略に取りかかる。心理学に興味がある人は教育心理からといった具合だ。生徒指導や学習指導要領も入りやすい。

一般教養対策は早めに開始

一般教養の筆記試験を課す自治体は多いが、内容は主要5教科の中学校卒業程度から高校程度のレベル。しかし、これに美術史などを加えて出題する自治体もある。出題の範囲はとても広いので、完璧を目指すと長続きしない。できる領域と不得意な領域を判別し、不得意な領域の対策を早めに開始しよう。

学習指導要領対策は時間をかけて

教職教養で出題される学習指導要領に関する出題は総則が中心で学習時間がかからないが、専門教養では細かな内容が出題される。後者は長期戦になるため、5月ぐらいに完成するイメージで焦らず進めてほしい。

タイプ<i>B</i>
アドバイス
  • 1 出題傾向を早めに確認
  • 2 学習内容の系統性よりも最重要箇所・事項に注目しよう
  • 3 教職教養は得意な領域からスタート
  • 4 専門教養に苦手のある場合は春までに克服
  • 5 一般教養対策は完璧を目指さずリラックスを
タイプ<i>B</i>

タイプC 意外に多い
論作文不安型

日本語なのに書くことに抵抗を覚えるあなたは、書く才能を眠らせている状態かもしれません。レポートや作文を「書かされてきた」「課題なので仕方なく書いてきた」苦い経験のイメージを引きずっているのかも。しかし、採用試験では自分を売り込むために必要な“攻めの道具”になります。まず書くことへの抵抗をなくすことから始めましょう。

あなどれない自己PR

願書に志望動機や自己PRを書く採用試験もあるため、どんな願書なのか、受験する都道府県・政令指定都市教育委員会のホームページで過去の募集要項をチェック。“作文”の必要な場合は、早めに書いてみよう。出願まであと約半年。早すぎることはない。出願直前では遅いのだ。

教員になってからも求められる文章力

業務上、文書力は必要と割り切り、教員採用試験はそのトレーニングと考えて取り組むのはどうだろう。採用試験の論作文は書き手にも読み手にも時間の制約があることから、“書き方”、すなわち“カタ(型、パターン)”がある。結論から書き始める、根拠を示す、できれば体験談を補足する、といった枠組みがあるのだ。これに内容を入れていけばいい。

何を書くか

“カタ”が決まっているのなら、内容で勝負となるが、採点者をあっと驚かすようなユニークな考えやすばらしい業績がある人はまれ。教職教養で学んだことやボランティアで経験したことをもとに、点数を落とさない書き方をするのがコツ。

日本語としての正確さにも注意

文字の美しさ、または、丁寧な文字、これが論作文で得点をする大原則となる。読みやすく、しっかりした文字が書けることは教員になってからも財産になる。お習字を始める必要はないが、丁寧な文字と正確な記述を心がけよう。

アドバイザーの確保

自分でトレーニングもできるが、採点してくれたり批評してくれる仲間かアドバイザーがほしい。教員採用試験を目指す仲間、勤務先の教頭や校長、大学の指導教員など、自分自身ではわからない矛盾点や説明不足の箇所を指摘してくれるアドバイザーの確保は時間と手間がかかるため、早めに動きだしてほしい。

タイプ<i>C</i>
アドバイス
  • 1 願書作成に必要な自己PRは早めに下書きを開始
  • 2 論作文対策は“カタ”から入ろう
  • 3 丁寧な文字と正しい文字使いも忘れずに
  • 4 教職教養とのリンクで論作文の内容に説得力を
  • 5 添削してくれるアドバイザーの確保を
タイプ<i>C</i>

タイプD 性格? 面接不安型

面接は緊張がつきもの。苦手とする人は多く、得意という人のほうが少ないのが現状です。話すことが苦手、緊張する、何を話してよいかわからないなど、実は苦手のタイプもさまざま。自分のタイプの見極めからスタートしていきましょう。

話す職業に就くために

教員は話をする仕事。子どもに、教職員に、保護者に対してわかりやすく表現することが求められる。この機会に話を聞くこと、話をすることを鍛えなおそう。相手の目や顔を見ること、相手に好感をもってもらえるように話せること、話の内容がわかりやすいことなど、客観的に自らの思考力や表現力を見直すチャンスと考える。

内容と印象の両面作戦

苦手を克服するための二つのポイントは、話をする内容と話し方だ。話をする内容は定番の質問に対する回答の骨子をあらかじめ書き出しておくのもよい。ただし、暗記に頼りすぎるのは危険。自分の言葉として自信を持って話せることを目指そう。たとえメモを読み上げるのであっても、相手に好感を与える読み方や表情がある。面接のノウハウは一般就職マニュアルを含めたくさんの書籍が刊行されているので、手に取ってみるのもいい。教員採用試験だけに通用するというテクニックはない。

定番の質問への準備

自己紹介、教員を志した理由など、いわゆる定番の質問には自分の中での定番の答えを準備しておけばよい。同じ質問に何度も答える練習をしておけば、言葉を換えながら自然に話ができるようになる。

合否のカギを握る面接

面接は合否のカギを握ると考えてよい。そのため、万全の準備で臨みたい。何カ月もかけて準備をする必要があると考えてほしい。ビデオで撮影し自己評価する、それを友達と批評しあう、指導者に模擬面接をしてもらうなど、アドバイザーを準備することが重要なカギとなる。

タイプ<i>D</i>
アドバイス
  • 1 誰しも緊張する面接、今からトレーニング
  • 2 「元気に」「はきはき」が大前提
  • 3 自己分析を正確にしておくことでスムーズに話せる
  • 4 定番の質問への練習を
  • 5 指導してくれるアドバイザーの確保
タイプ<i>D</i>

タイプE 適性があるの?
資質能力不安型

初めての教員採用試験受験者、もしくは不合格が続く場合、仕事や学業でスランプに陥っている、そんな状態にあるのではないでしょうか。教員には幅の広い力が求められます。すべてそろっていなければならないと考えてはいませんか?または、自らを謙虚に観察しており、教員としての目標を高く設定しすぎて自信を喪失している可能性も考えられます。

適性は採用試験時のものにターゲットを当てて

教員としての適性は、実は教員採用試験のときには誰にもわからない。採用試験は将来性、すなわち将来どのくらい成長できるかを検査する試験といい換えてもいいだろう。したがって、自ら教員への適性を検討することはむずかしいため、教員採用試験で問われる資質を身につけることを目標として研鑽を積むほうが建設的だ。

謙虚で正確な自己分析も大切

教員採用試験の面接では、自分の課題を的確に把握し、その克服のための目標やビジョンを持っていることはむしろプラスに評価される。したがって、謙虚な自己分析をしていることがとても大切。ただし、長所について自信をもってはっきりと説得的に伝えられることも重要。長所の確認と課題の分析をしてみるとよい。

実践力より人間力

教職経験のない大学生や社会人に指導力を求めすぎることは決してない。むしろ、組織の中で職務を遂行できる協調性や人間性、熱意などが問われる。したがって、教職経験の有無によって何をアピールするか、どんな資質を伸ばしていけばよいのかはおのずと異なる。なお、非常勤講師や臨時的任用教員は相応の実践力が求められる。

アドバイザーによる客観的評価を

自信過剰と同じくらい、自信に乏しいタイプも、採用者としては採用しにくいことが明らかだろう。友人や指導者から自分の良いところをしっかりアドバイスしてもらうと自信につながる。また、先輩や指導教員に資質上の課題の改善策についてアドバイスをしてもらったり、解決策を議論してみることも大切なことだ。

タイプ<i>E</i>
アドバイス
  • 1 教師の向き不向きは誰にもわからない
  • 2 教師になってからいっそうの成長が求められるため、将来の伸びしろが大切
  • 3 教員採用試験に向けてどの点を伸ばすか、何を補うかを検討する
  • 4 課題を自覚しその改善に努めることを面接で主張し自己分析力をアピールする手法も
  • 5 相談に乗ってもらえるアドバイザーを見つけよう
タイプ<i>E</i>

タイプF 時間不足
準備期間に不安型

「学生のときにもっとやっておけばよかった」「もっと早くから準備をすればよかった」。こういう後悔は誰もが日常的に経験していることのはず。試験までの持ち時間はみんな同じです。焦らず準備を進めていきましょう。有職者である場合は、時間のロスがないか確認をすべきでしょう。

目標と計画づくり

教員採用試験で問われる資質や必要とされる知識をまずは把握し、それまでの時間で割ると1カ月で行うべき対策、1週間で行うべき内容がおのずと明らかになってくる。時間はないが、対策はしなければならない。まずは、目標とそれを達成するための計画立案に取り組んでみることが大切。

“見える化”で焦燥感を低減

目標とそれに至る計画、さらには、1日と1週間のどこに時間があるかをすべて書き出そう。書いてみると意外に時間が発見できたり、無駄が見えてきたりする。全体像が把握でき焦燥感や不安が解消される。時間がない!という精神面の不安は学習効果にも影響する。

いつでもどこでも試験準備

移動の電車の中での学習はもちろん、自己分析や教員を志望した理由、学級経営のビジョンなどは入浴中やバスを待っているときでも考えられる。いいアイディアが浮かんだりまとまったりすればメモをしたりスマホに録音しておくのもいい。それを書き出す作業は時間があるときに行えばいいのだ。

筆記試験対策は最小限で

限られた時間、教員採用試験で重要視される面接や論作文に多くを振り分け、筆記試験は最小限の時間でクリアすることを狙おう。頻出事項に特化して学習を行う、公開講座で要点を確認する、問題集や参考書を限定し繰り返し行うなどの工夫が必要。

タイプ<i>F</i>
アドバイス
  • 1 教員採用試験まで逆算して計画を立案
  • 2 細切れの時間の有効活用を
  • 3 デスクでの対策がすべてではない
  • 4 学習の習慣化で多忙感を低減
  • 5 計画と現状の“見える化”を
タイプ<i>F</i>